Tsunami Evacuation Tower

 日本は今後も大地震が予想され、太平洋沿岸地域の都市は一刻も早く津波の対策を取る必要がある。ただし、いつ来るかわからない津波のために過大な投資を行う余力は、今の日本には残されていない。沿岸に巨大な高堤防を作ることは、メンテナンスを含めたコストの観点からも、海と密接に暮らしてきた日本人の精神にとってもそぐわないだろう。これは人々を高台移転させることなく、それまで営まれていた人々の暮らしやコミュニティを以前と同じ土地で維持しながら、老人や子供であっても安心して避難できる環境を整備し、平時においては地域の防災や医療、コミュニティの拠点となるタワー計画である。対象地は全国の沿岸市街地の平野部で、周囲に高い建物がないため、2011.3.11においても逃げ遅れた人が多数出たエリアである。高齢者を含む住民は外周に取り巻くスロープで避難可能である。平野部では津波の進行方向は常に一定となるため、形状は津波の進行方向に対して立面が最小となる楕円柱型を採用。これは水の力を受け流すサメ肌の構造からヒントを得ている。高さ15mまでのスロープの外周は堅牢な無窓RCで覆い、地震や津波、漂流物から人や建物を守る。最後に居住性や省エネの観点から、敷地のそれぞれの方位に合わせて、南向きの面を最大化するよう徐々に建物をツイストする。このタワーは住人に安心を提供するだけでなく、平時にはコミュニティの拠点となることで避難訓練を兼ねることができる。また、津波襲来の記憶や災害対応のノウハウを保存するシンボルでもある。

Completion
Unbuilt
Principal use
Multicomplex
Structure
Reinforced Concrete
Site area
3,100㎡
Total floor area
355㎡
Building site
Coastal area in Japan