Glass Jewelry Box

 東京の西麻布にあるL'ECRINというショップである。店名はフランス語で「宝石箱」という意味で、常時50点程のフランス製の高級鞄が並ぶ。クライアントが求めたのは、通りからの見通しがよくて入りやすい雰囲気を残しながら、顧客のプライバシーをほどよく守ること。そこでガラスの宝石箱の如く、光沢と透明感がありながら複雑な模様によって内部が見え隠れするファサードを実現することにした。

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 ただし型板ガラスでは透明感に欠け、カットガラスではコストがかかりすぎる。そのため、この店のバッグの裏地の柄である「シェブロン」と呼ばれるヘリンボーンをモチーフとした特殊なガラスを開発した。まずエッジを尖らせたステンレスフレームで柄を構成。その上に12㎜の単板ガラスを載せて窯に入れ、ガラスの軟化温度である675度前後まで熱する。するとシェブロンの模様の一つひとつが自重によって10~13㎜ほどやわらかく窪むのである。

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 店内に幸せな空気が充満しているような、やわらかくふくらんだガラス。その向こうで、工芸品のような特注什器や銀箔の建具、ライムストーンの壁を背景に、美しい鞄たちが色とりどりの宝石のように光を滲ませている。

photo by Koji Fujii / Nacasa and Partners Inc.

Completion
2014.02
Principal use
boutique
Total floor area
79㎡
Building site
3-21-3,Nishiazabu, Minato Ku, Tokyo
Constructor
Ishimaru