聖マリア大聖堂 マニラ

 フィリピンのマニラ市郊外で工事中の聖マリア大聖堂である。床面積は約800㎡で、ミサの際には400人が収容可能となる。約4,000㎡の敷地は公園内の丘の上にあり、すぐ傍を静かな小川が流れる。かつて聖母マリアがゴルゴダの丘で磔刑に処されたイエス・キリストを抱きしめたように、我々はこの大聖堂は聖母マリアのやさしくて温かな慈愛で人々を包むような存在であるべきだと考えた。川を越えて、「悲しみの道」(ヴィア・ドロローサ)を追体験するように丘を登り、その頂きに立つ十字架に祈る人々。そんな彼らを包むように、聖母マリアの象徴である白百合の花の大屋根を掛けて、六枚の花弁の間に設けられたステンドグラスから神々しい光が差し込む計画である。構造はシェル効果のある六枚の花弁と、その間のギャップを利用したキールトラスによる鉄骨造である。シェル効果によって花弁の先端は最大4mのキャンチレバーが可能となり、強い直射日光を遮りつつも、周囲の緑や小川に反射した光を室内に柔らかく拡散させるリフレクターの役割も果たしている。また、その深い庇下の開口部から小川の冷気を取り込み、トップライトを開くことで、平日は煙突効果による自然換気を主体とした空調計画としている。

Completion
2020
Principal use
Chapel
Total floor area
806㎡
Building site
Manila, Philippines
Structure
RC + S
Structure design
ARUP JAPAN/MANILA